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康介が作業に没頭している間は、空き地に集まってきた野良猫と猫草で遊んでいるチャンヒョク。だんだん雲が増えてくると、猫たちも察したようにいなくなった。
康介はM12を改良したが、最後に空き地で同じように実験をした。まもなく点火すると思ったが、降ってきた雨粒が導火線の火を消してしまった。
「雨だ、雨」
チャンヒョクがのんびりした声で言い、フェンスの向こうに停めたバイクを持ってきた。康介は不発弾になったM12をポケットに入れ、倉庫の鍵をしめた。それからチャンヒョクの後ろに跨る。チャンヒョクはバイクを走らせていった。
軍舎に着くまでに、2人は随分濡れてしまった。昇降口でタオルを拾い、頭を拭く。廊下をキュッキュと鳴らす足音が聞こえて、2人は振り向いた。
康介は咄嗟に声が出そうになった。
そこにガヨンとへジョンがいたのだ。ガヨンは慣れたようにへジョンの左腕を掴んでいて、彼らに会釈する。それから何事もなかったように行ってしまった。
康介は不快そうに、2人が通り過ぎるのを見送った。
「ありゃ同性愛を疑われても、おかしくねーや」
チャンヒョクは靴下を脱いで、足の裏まで拭きながら呟いた。
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