第二十五話「秤」

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ところがチャンヒョクが向かった時には、すでにガヨンの肩を掴んだ康介がいた。へジョンは呆然としていて、あとから来たチャンヒョクに縋るような目をした。 「チャンヒョクさん…止めてください」 へジョンはそう言った。 ガヨンは康介に両肩を掴まれて、ひどく驚いていた。 「お前…つけていたのか?」 唸るような低い声で康介が詰問している。ガヨンは瞬きをした。 「なんのことです?」 「俺の火薬庫だ!!!」 興奮した康介があっさりその名前を喋った。 「お前の足が濡れてる」 「何言ってるんです。 間違えて内履きを外に干していたんですよ。 それをへジョンと取りに戻ったんです。」 ガヨンは冷静だったし、まるで宥めるような声で返していた。康介は息が上がっていて、ガヨンの肩を乱暴に突き放した。 「バカ野郎め…」 力なく通りすぎた康介に、チャンヒョクはため息をついた。
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