第二十五話「秤」

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… 意気消沈とした様子で部屋に戻ったとき、あの回転椅子にチャンヒョクがいた。部屋に入ってきた康介をじっと見つめている。康介はチャンヒョクに何も言わずに洗面所で顔を洗い、それから回転椅子を動かして寝台に横たわった。 「よう」 チャンヒョクが声を掛けるが、康介は返事をしなかった。 「俺の知り合いに鍵屋がいるんだ。」 チャンヒョクが打ち明けると、康介は振り向いて彼を見上げた。 「もっとセキュリティを強くしよう。 なんだって作れる鍵屋だ。 オートロックでもいい。」 「いいよ、もう」 康介は頭を振った。 チャンヒョクは唇を尖らせた。 「火薬庫だぞ。 ボヨンのことを思いだせ。 あの時だって、さんざん不安になったじゃないか」 「お前に言われたとおり、ガヨンと話すよ」 「なにを」 「全部ぶちまけるよ。 爆弾を見たいんだ、アイツは」 「本気か?」 康介は重く頷いた。 Continue…
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