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意気消沈とした様子で部屋に戻ったとき、あの回転椅子にチャンヒョクがいた。部屋に入ってきた康介をじっと見つめている。康介はチャンヒョクに何も言わずに洗面所で顔を洗い、それから回転椅子を動かして寝台に横たわった。
「よう」
チャンヒョクが声を掛けるが、康介は返事をしなかった。
「俺の知り合いに鍵屋がいるんだ。」
チャンヒョクが打ち明けると、康介は振り向いて彼を見上げた。
「もっとセキュリティを強くしよう。
なんだって作れる鍵屋だ。
オートロックでもいい。」
「いいよ、もう」
康介は頭を振った。
チャンヒョクは唇を尖らせた。
「火薬庫だぞ。
ボヨンのことを思いだせ。
あの時だって、さんざん不安になったじゃないか」
「お前に言われたとおり、ガヨンと話すよ」
「なにを」
「全部ぶちまけるよ。
爆弾を見たいんだ、アイツは」
「本気か?」
康介は重く頷いた。
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