鬼多見奇譚余話 梵天丸の日常

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 部屋に戻ると朱理ちゃんが夕飯を用意してくれた。我が食べ終わるのを待って、彼女はひとしきり我をモフると自分の部屋へと戻っていった。  朱理ちゃんが戻って二時間近く過ぎた頃、主が帰宅した。 「ただいま。留守番、ちゃんとしてたか?」  我の頭をポンポンと軽く叩く。 「アンニャンニャンニャン……」 「そうか、今日は寂しかったのか」  我は散歩で視たモノを主に伝えたのだが、理解してもらえず甘えてると勘違いされた。主は普通の人に見えないいモノは視えるが、我の言葉を百パーセント理解しているわけではない。  そして、いつも以上にモフられた。  朱理ちゃんに向けられた()のモノの悪意ある視線が気になるが、何かあれば主と我でどうにかすればいい。  いつも通り、寝る前に再び主にモフられて我の一日は終わる。そして眠りにつくのだ。  モフられて始まり、モフられて終わる。  我は梵天丸、柴犬である。職業、モフモフ。                                 ―終―
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