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ドッグフードとミルクの朝食を済ませてくつろいでいると、バタバタと階段を駆け下りる音が聞こえて、勢いよく玄関の扉が開く。
「ボンちゃん、おはよう!」
集合住宅の上の階に住んでいる主の姪御たちがやってきた。妹の紫織ちゃんが元気に挨拶した後、姉の朱理ちゃんは静かに「おじさん、ボンちゃん、おはよう」と挨拶をして中に入る。
「二人ともおはよう」
我は挨拶の代わりに姉妹に近づき、後ろ脚で立ち上がる。
「ボンちゃん、きょうもモフモフだね!」
紫織ちゃんが我をギュッと抱きしめる。
我は何とか顔をなめようともがいたが、抱きしめられているので耳しかなめられなかった。
そんな我の背中を朱理ちゃんが優しくなでてくれる。
「モフモフ、モフモフ」
紫織ちゃんはそう言いながら我をモフる。朱理ちゃんも我慢できなくなったのか、我の首のまわりをモフりだした。
「そろそろ行かないと、学校に遅刻するぞ」
「は~い」
主の言葉に姪御たちは素直に応じ、我から離れる。我はもっと一緒にいたくて声を上げた。
「アン!」
「ボンちゃん、かえってきたら、いっしょにあそぼうね!」
「いい子にしててね。行ってきます」
二人はドタドタと出て行ってしまった。
「ク~ン……」
「さみしいな。でも、そのうち姉貴が様子を見に来てくれるだろう」
主が我の頭をポンポンと優しく叩く。
「じゃあ、おれも仕事に行くから、留守番を頼むぞ」
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