鬼多見奇譚余話 梵天丸の日常

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 モフられながら姉君と一緒にテレビを見ていると、階段を駆け上がる足音が聞こえてきた。 「ただいま~!」  元気よく紫織ちゃんが玄関のドアを開けて入ってきた。 「お帰り」 「あッ、ボンちゃん、きてたんだ!」  来たのではない、連れてこられたのだ。紫織ちゃんは駆け寄ると我の顔をモフって揉みくちゃにした。 「手を洗ってうがいをしたら、梵天丸を下に連れて行って。そしたらおやつにするから」 「は~い!」  我は再び一人でお留守番だ。
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