鬼多見奇譚余話 梵天丸の日常

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 自宅に戻った我は、独り静かな時間を(たたみ)の上で過ごしていた。  玄関の扉が開く音がした。誰が来たか察した我は、また部屋から飛び出して歓迎する。 「ただいま。ボンちゃん、独りでお留守番、偉かったね」  朱理ちゃんが学校から帰ってきたのだ。我の顔を両手で挟み優しくモフって、最後におでこを我のおでこにくっ付ける。 「それじゃあ、お散歩に行こうね」  水やトイレの準備、そして大切なおやつの用意が済むと、彼女は我にハーネスとリードを付けて散歩へと出かけた。
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