温泉街にて

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 クエンは戸惑った。ランドールがどういう気持ちでいるのか。遊びなのか、単に力を得るための手段なのか、それとも自分のような想いを抱いてくれているのか。それがわからないのが苦しいと、一瞬は思ったが、すぐにランドールと交わることしか考えられなくなった。 「脱げ」  クエンはそう言って立ち上がると脱ぎ始めた。  ランドールも脱いだ。編上靴に手こずっているのをクエンは助けて、脱がし終えるとそのまま押し倒した。  首筋から胸、腹。唇と手を這わせて、腕も脚も絡めてお互いの体温や汗を感じて喘ぐ。  格闘技の練習のように上になり、下になり、ランドールはクエンのモノを咥え込んだりしたが、クエンは長くそれをさせず、自分の先走りの味のするランドールの唇を貪った。  組み敷いて見下ろすと、ランドールは蕩けた顔でクエンのモノを強く掴んだ。 「くっ」 「もうそろそろいきたい? 僕、本気を出していい?」 「お前は、気持ちいいのか?」 「クエンが気持ち良さそうなのみてると…気にあてられてるのかな…身体の中から何か気持ちいい。クエンがイク顔、見たい」 「俺は、繋がりたい」  ランドールの頭を抱えて強く胸に引き寄せた。 「ん? もっと触って…」  クエンは指先に魔力の流れを意識するとランドールの後ろに差し込んだ。 「えっ、そこ? ちょちょ…」  ランドールは酷く驚いた様子で、クエンの胸を押した。 「嫌か?」  見つめると顔を真っ赤にして首を横に振った。 「嫌なんかじゃない。お前がそうしたいなんて、想像もしてなくて、驚いてるだけだよ。それに、身体をこんな風に人に触られることだって、僕、その初めてなんだ…優しくしてくれよ」  クエンは身体の熱を冷やされたような気がした。 「はじめて? レントの船乗りの下働きで、沿海州育ちのお前が?」 「そうだよ…。僕、童子なんだ…」  クエンの中で何かが弾け飛んだ。
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