温泉街にて

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 いつもの物言いも少年じみているが、甘え、懇願する言い回しはより子供っぽい。それがクエンにはたまらなく愛おしい。  1番太い部分が通り抜けると奥までスムーズに進んだ。 「ぜ、全部入った?」  ランドールは言いながら手を2人の間に差し込んで、繋がった部分を確かめた。 「すげぇ。こんな太いの、入ってるんだな…」  へらへらと軽薄なふりをするが、眉が寄っていて、切なげな表情だった。 「辛くないか?」 「お前のが辛いだろ? そんな魔力を注ぎ続けなくても、もう入り口の傷は治したし、もうちっとも痛くないよ」  クエンはそれを聞いて躊躇いなくランドールの奥へ突き上げた。  ランドールの嬌声と共にクエンの張り詰めたそこは強く締め付けられた。今にも爆発しそうだった。  ランドールは脚をクエンの腰に絡め、背中にしがみついた。クエンのものがより奥に届くようにとリズムを合わせて腰を振る。 「ク、クエン、奥、奥、やばいっ、いい。もっと、もっと、激しくしろって、バカやろが、いや、ごめん。優しくしてよ、死んじゃう…、いい…死にそ、や、めっ。ああ、許してぇ、おかしくなるから、やだぁ」  罵ったり甘えたりと声を変えるのが、クエンの欲情をより高めた。  最早優しくなどする余裕はなかった。快楽のまま突き上げる。 「うー、うぅん…もう無理ぃー。嫌だぁ…」  ランドールは泣き叫んだ。  それでもクエンは必死に歯を食い縛り、腰を打ちつける。パンパンと音を立てて打ち合さる。 「ううぅ…あ、イイッ、もっと、あ、やっ、ああ、なんか、なんかくるっ」  魔力だけを注ぎ入れた。  ランドールは叫んで、身体を仰け反らせる。  力が抜けて、放心しているのをクエンは首筋に舌を這わせ、そして急に思いついて、その右の耳朶を強く噛んだ。 「いたっ」 「今更だけどな、右耳の契りだ」  ランドールは笑って、同じようにクエンの右耳を齧った。  ランドールが離れて満足そうに唇についた血を舐めて微笑むと、クエンはランドールの膝を肩に乗せた。 「あっ、んっ、まだやるの?」  微笑が困り顔になる。 「魔力はやったが、まだ精力は注ぎ込んでないからな」  クエンはまだ繋がったままだったそれを少し引き抜いて、太い部分が抜ける前にまた奥へ押し込んだ。
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