2. 初キャンプと問題児

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「やっば!!キャンプファイヤーとか初!!」 「さすが金持ち学校!!!!」 「初めてこの学校来てよかったと思った!」 「超燃えてんだけど!!あはははは!!!!」 「何が面白いんだよ、ぶはっ!」 「待ってお前ら笑うな…ふふっ」 相変わらず騒がしい4組の子たちは、最初こそキャンプファイヤーに興奮していたのに、それがいつからか笑いに変わっている。ケラケラと笑いながら地面に膝を着いている人やら笑いすぎて涙が出ている人さえもいる。 あの後、俺たちはコテージでトランプをしたり、4組の子たちに 「遊ぼ〜」 と言われ何故か外で隠れんぼをすることになったりしながら夕食までの時間を過ごした。さっきの男の子、もとい日笠くんは また来る と言っていたものの未だに姿は見ていない。 夕食はバーベキューで 「しづはもっと大きくなりな〜」 とお皿に大量のお肉を乗せられて、お腹がいっぱいになった。 「あー…おっかし…」 「何でこんな笑ってんだっけ」 「えー…忘れたわ…ぶはっ」 他クラスの子達には 変人 を見るような目で見られてはいるが、俺はこのクラスが好きだ。このクラスで良かったと思っている。 ________ ______ 「この俺に写真撮る方を頼むとか、君たちくらいなんだからね!」 「まぁまぁ!宇野先輩たのみますよ〜」 「いい感じに撮ってください!」 クラス写真でも撮ろうぜ!と言い出したのは誰だったか分からない。永久くんが丁度その辺を通り掛かった宇野先輩を捕まえて、カメラマン役を押し付けていた。 宇野先輩は 「ほんと可愛くない後輩!」 なんてぷんぷん怒りながらも素直にカメラをこちらに構えている。 集合写真なんて一体いつぶりだろう 中学では集合写真を撮るような行事があるときには学校を休んでいたからおそらく中学生活の中で写真を撮られたことはほとんどないい。卒業アルバムに載せるそれだって当日に休んでいたから俺は合成で入れられているだけだった。きっと入学してすぐの頃に撮ったきりな気がする。 中学校に思い出なんて1つも無い だから写真なんていらない 「西園寺くん!笑って!」 どうせ高校も同じだって、思っていたのに 中学の時とは真反対なクラスメイトにいつまでたっても慣れないものだ ぎこちないピースのおかげで写真を撮り慣れていないと皆気づくだろう。 小柄な子が一列目に来ているおかげで、俺の隣はいつもの彼らでは無い。 隣に来た可愛らしいクラスメイト、もとい鈴鹿くんは 「へへ、西園寺くんの隣ゲット〜」 と嬉しそうに笑っていた。 この暖かい空気に慣れてはいけない きっといつか痛い目を見るから
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