【前回までのあらすじ】

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【前回までのあらすじ】

『BEAST EMOTION』を未読の方にもご理解頂けるように、老婆心ながらご説明を。 狼の獣人・犬神京介(いぬがみきょうすけ)は、遠い昔、番だった巫女に不老不死の呪いをかけられた狼族最後の獣人です。死の間際、巫女は必ず転生するから見付けて欲しいと言い残します。巫女の死から幾星霜もの間、京介はずっと番を探してきましたが、不運な事に、探し求め出逢えても番はみな不慮の死を遂げてばかりでした。 京介の番探しには、その昔、巫女だった『はじまりの番』を貫いた(やじり)が不可避です。番が現れると羅針盤の如く知らせてきました。鏃はある夏の満月の夜に葛城碧衣(かつらぎあおい)の存在を知らせます。しかし碧衣の元に向かった京介を待ち受けていたのは、住居火災で息絶える寸前の碧衣の姿でした。 またもや己の無力さに苛まされる京介ですが、碧衣から子供を託されます。今際の際の頼みを、番からの頼みを断れる筈もなく、子供を育て上げる決意をします。 とはいえ京介は世俗に疎い為、唯一頼りとしている『天狼組』の力を借りる事に。 永い孤独の中で、とある縁により結ばれた天狼組は、ヤクザでありながら京介の番探しを全面サポートしています。前組長の一人息子・月居神威(つきおりかむい)は、合法的に京介をサポートしたいと、『MAGAMIコーポレーション』を起業すると、京介を重役に据え、天狼組と共に金銭的、世間的にもサポートしています。現在組長の座は代理に任せています。 神威の側近・鷹司伊織(たかつかさいおり)は火事の僅かな時間の中で碧衣について調査しますが、碧衣は天涯孤独、近所の喫茶店で仕事をしているシングルマザーとしか分かりません。 神威は知己である弁護士の西園寺柊吾(さいおんじしゅうご)に京介が合法的に子供を引き取れるよう手配をかけており、いざ子供が搬送された病院へ。 搬送先の病院は、これまた神威の知己である四條陵(しじょうみささぎ)が院長をしている病院でした。碧衣が懸命に守った子供の名前は葛城雅(かつらぎみやび)。来春、小学生になる子供です。雅は気丈にも母の死を受け止めますが、京介から一緒に暮らさないかと差し出されると、迷う事なく京介の手を取りました。 雅が京介の腕の中で号泣し、泣き疲れて眠ってしまった雅が、実は京介が永年探していた番だと確信した京介は、伊織から衝撃の事実を告げられます。 少女だと思っていた雅は少年でした。その事実は京介だけでなく神威まで驚愕させますが、魂の番に性別は不問だと改めて雅との生活を宣言します。京介に感銘を受けた神威達は、それぞれ忠誠を京介に誓います。 京介は雅といくつかのルールを決めます。二人が仲良く暮らす為のルールは、二人の距離を縮め、いよいよ新生活が始まります。 ☆『HONEY BEAST』は前作から約半年後のお話です☆
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