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1.私がBLに惹かれる理由
「あなたはどうしてBLが好きですか」と聞かれたら何と答えます???
いろんな理由が思い浮かびますか? 理由なんてないかな。「女性がBLを好む理由」みたいなトレンド調査結果もあるにはあります(ご興味あれば検索を)。でもきっと皆さん、どなたも自分だけの理由をお持ちなんじゃないかなと想像しています。
ここではちょっとだけ、私個人の話におつきあいくださいね……そして皆様もぜひご自身の「BLが好きな理由」を思い浮かべていただけたら……!
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私がBLに惹かれたのは、子どものころ、少女漫画から完全に脱落してしまったのがきっかけでした。
小学三年生ぐらいかな。クラスの友だちがみんな少女漫画雑誌を読み始めて、私も月に一度買ってもらえる「りぼん」を楽しみにしていました。「ちびまる子ちゃん」「お父さんは心配性」などが大好きでした。「有閑倶楽部」も。
同じような方、いらっしゃるでしょうか…じつは私、当時大人気だった恋愛作品に「キュン」とできないのが、誰にも言えない悩みだったんです。
小学生向けの恋愛モノに出てくる男の子、みんなかっこいいですよね。あんなに素敵な男の子と両想いになれたらどんなにいいだろうと思いました。でも主人公の女の子は、見た目がかわいくて、性格がよくて、心を許せる親友もいて、みんなの人気者。私とは違う。彼女たちはイケメンに愛されて幸せになっていきます。あるいは、強烈なガッツで貧乏やいじめに立ち向かい、お金持ちのスパダリ男子に「おもしれー女」と見初められるパターンもあったね……。
子どものころの私は、そうした恋愛話を読めば読むほど落ち込んでしまいました。ヒロインの何もかもが自分と違いすぎて、どうしても感情移入できないわけです。友だちが「泣けたよね」「キュンってしたよね」と盛り上がってる輪のなかに私もいたけど、心のなかではつまんないなって思ってました。
それでも小学校高学年になるころには、似た者どうしの仲間にめぐりあえました。「動物のお医者さん」「なんて素敵にジャパネスク」「ぼくの地球を守って」など日常の恋愛が主なテーマではない作品について、同志と語り合えて楽しかったです。
そんなコミュニティを通じて出会ったのが、高河ゆん先生の「源氏」です。隣町の小学校の、同学年の女の子が漫画本を貸してくれました。
私が初めて「男が男を恋い慕う関係性」に出会った作品であり、このときの鮮烈な「キュ━.+゚*(о゚д゚о)*゚+.━ン☆」の衝撃を、今でもはっきりと覚えています。
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