理由

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「はーいっ!お待たせしました〜!」  ジャーン!とテンション高い状態で出て来た彼。  その手には茶色のリードがあって、真っ黒な大型犬が居た。  お座りをして大人しくしているその犬。  その姿は彼にそっくりで笑ってしまいそうだった。 「え?何でそんな笑ってるんですか?」  堪えていたはずなのに聞かれて吹き出してしまう。 「え?」  なぜか同じような角度で首を傾げている彼と犬。 「やめて!見ないでっ!!」 「えー!!」  拗ねたような声を出して彼は近づいてくる。  そのせいで犬も近づいてくる。そして、 「ほら!もーいいからちょっと散歩しましょっ!」  まだ笑い止めない私の手を掴んで、彼はいつものようにニコッと笑った。
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