292人が本棚に入れています
本棚に追加
愚かな質問をしてしまった。
でも、信じられなかったから。
まさか、こんな豪邸に連れていかれるとは思ってもいなかった。
「久我……?」
眺めていると、表札に目が行った。
そういえば、久我組っていう日本でも有名な極道があった気がする……
でも、だったらこの男を危険だと思う理由が納得できる。
「知ってるみたいだね。ここは久我組の本拠地だよ」
「そんなこと簡単に教えていいの?」
「君はこれからここに住むことになるんだから、問題ないよ。それより、早く入ろう」
手を引かれ、家の中へと入っていった。
「とりあえず、父さんのところに案内するから、ついてきて」
言葉を口にする前に歩き出した。
意外と強引な男なのね。
どこがどこだが分からないまま、大人しくついていった。
*
「おっ、優雅!」
誰かが声をかけた。
まぁ、ここにいるってことは久我組の関係者であることは間違いないけど。
それにしても、この男優雅って名前なのね。
自己紹介もないまま連れてこられたから、分からなかった。
最初のコメントを投稿しよう!