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睨まれることがなくなった後、聞かれた。
「はい、そうです」
優雅さんだって知ってるし否定する必要もないから、頷いた。
「父さん、何で分かったの?」
「あぁ、名前のこともだけど、噂で流れてくる折那の特徴と一致してるなって思ったんだよ。折那は黒髪美人で、高校生とは思えないほど大人びてるって聞いたからね」
美人……かはともかく、大人びているとはよく言われている。
そんな噂になっているとは思わなかったけど。
「えっ、珠那ちゃんって高校生なの!?あっ、言われてみれば、制服着てる……!確かに高校生とは思えないくらい大人びてるね、珠那ちゃんって」
その反応が愛美と似ていた。
愛美も初めて会った時、高校生!?と驚いていたし羨ましそうに私を見ていたなと思い出す。
「そういえば、その制服って明星のだよね?頭良いんだね、珠那ちゃんって」
「別にそんなことないから」
「それは謙遜がすぎるよ、珠那ちゃん」
謙遜もなにも事実。
私は頭が良いって言えるほど良くない。
それは自分で分かってる。
「そういう優雅さんだって凛栄高校でしょ?私よりも優雅さんの方が頭良いと思うけど?」
凛栄高校は県内で偏差値がトップを誇る高校。
明星は県内トップクラスではあるけど、凛栄高校ほどではない。
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