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呑気に笑っている愛美。
ねぇ、愛美。
あなたは私の心がこんなに汚いことを知ってる?
いや、知らないからこそ、こんな私と一緒にいられるんだよね。
「珠那ちゃん、どうしたの?」
「ううん、何でもない」
そんなことを考えたのを誤魔化すように首を振った。
「それより、早く教室に行かない?」
「うん、行く!」
それ以上踏み込ませないためにそう聞くと、愛美は元気よく頷いた。
そして、一緒に教室に行く。
その間も他愛もない話をしながら向かっていた。
ガラガラ
教室に着くなり扉を開けると、一斉に視線を感じる。
「あ、愛美ちゃん!」
「愛美ちゃん、おはよう!」
「皆、おはよう~!」
愛美が来たことで、クラスにいる皆が嬉しそうにした。
しかし、隣にいる私を見て、少し顔を引き攣らせる。
「あ、折川さんもいたんだ。おはよう」
「お、折川さん、おはよう」
「おはよう」
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