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愛美に対する挨拶とは違い、よそよそしく感じられる挨拶だった。
まぁ、それも当然のこと。
誰に対しても一線を引いている私に要因がある。
最初は話しかけてきた子もいたけど、今ではそれもなくなった。
愛美は普通に声をかけてくるけど。
「ねぇ、愛美ちゃん!今日の英語の予習やってきた?」
「あぁ~、忘れてた!珠那ちゃん、教えて!」
「いいよ」
愛美の答えを見せてもらうんじゃなく、教えてもらってでも解こうとする姿勢はいいと思う。
なんて、そんなこと愛美には言えないけど。
「ありがとう、珠那ちゃん!」
妬ましく思う気持ちはあるけど、こういうところは眩しく感じる。
それと同時に、こんな純粋な愛美を騙しているように感じられて、罪悪感も芽生える。
私の感情は複雑だ。
「珠那ちゃん、ここが分からないんだけど……」
「ここは……」
愛美が分からないと言ったところを教えていく。
「なるほど!珠那ちゃんほ説明って先生よひも分かりやすいよ!」
「それは言い過ぎ」
「言い過ぎじゃないもん!」
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