居場所

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怒りで目の前が真っ赤に染まった。 思わず手が出そうになるのを必死で堪えた。 「今日の分はもらうぜ」 怒りを抑えつつ、今日の分のお金を渡した。 「確かにもらったぜ」 「じゃあな、嬢ちゃん」 「ははっ、頑張れよー?」 下卑た笑みを浮かべてそう口々に言った後、去っていった。 途端に涙が溢れてくる。 「ごめん、お父さん、お母さん……守ることができなかったっ」 近所迷惑とかを考えずに、久しぶりに声を上げて泣いた。 そこからの記憶はほとんどない。 気づいたら、治安の悪い繁華街まで来ていた。 私、いつの間にこんなところまで来ていたんだろう…… もう帰る場所も無くなってしまったから、禄に前も見ずにそのまま歩き続ける。 すると、ドンと誰かにぶつかった。 「チッ、てめえ前見て歩けや!」 「……すみません」 「すみませんですんだら、警察はいらねぇんだよ!どうしてくれんだ!」 どうしろと言われてもね……
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