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「相手、血まみれだよ?さすがにそれ以上はやめておいた方がいいんじゃないかな」
「分かってる」
それは自分でも分かってるため、苛立ち気味に返す。
「分かってるなら、よかった。それよりも、君みたいな女子高生がこんな夜遅くにここにいるのは危険だよ。早く家に帰った方がいいんじゃない?」
その家がないのに、どうやって……?
苛立ちが更に増す。
「もう私に帰る家なんてないの。私のことにんて放っておいて」
きつく言って、その場から去ろうとした。
……腕を掴まれてできなかったけど。
「そうだったんだね。ごめんね、無神経だった」
謝られてしまい、逆に罰が悪くなる。
「ねぇ、せっかくだし、俺のもとに来ない?」
しかし、それもすぐに消えた。
唖然として、その男を見遣る。
何を考えているか分からない。
私なんかを連れていって、どうするつもり……?
「誰があんたのとこなんか……」
「でも、帰る場所がないんでしょ?俺のところに来てくれたら、寝食を提供するよ」
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