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にこりと女を魅惑するような笑みでそう言った。
よくよく見れば、この男はかなり容姿が整っており、笑うことでより美しく見せている。
警戒心を解くような柔らかい雰囲気。
でも、私の本能がこの男を危険だと言っていた。
何者なの、この人……
「どうする?」
声をかけられ、そこで思考がストップした。
「……分かった。あなたのところに行かせてもらうから」
「交渉成立だね。じゃあ、行こうか」
何故か手を繋がれた。
そのまま歩き出し、私はされるがままの状態でついていった。
*
「ここが俺の家だよ」
家……?
ここが……?
目の前にそびえ立つ家はどう考えても、お金持ちが住んでいそうな豪邸だった。
私の家とは全然違う……
「どうしたの?」
「ここ、本当にあなたの家なの?」
「そうだよ」
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