憧れの先輩の裏の顔

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先輩の上目遣いにあっさり陥落してしまった。 「わ、分かりました」 「ありがとう。じゃあ、行こうか」 そのまま何故か私の手を取り、歩き出した。 「未珠ちゃんはどっか行きたいとかある?」 「えっと、特にないです」 「そっか。じゃあ、俺が決めさせてもらおうかな」 会話の間も手が繋がったまま。 そのせいで、会話に集中できない。 恋人同士というわけでもないのに、どうして私達は手を繋いでるんだろう……? 「未珠ちゃん、どうかした?」 そのセリフはデジャヴだった。 「いえ、何でもないです」 それに対する返しも今朝した会話と似たようなもの。 「そう。あ、行き先はDOLCEっていうケーキ屋にするけど、いいかな?」 わざわざ伺い立ててくれるところも先輩の良さだよね。 ついズレたことを考えてつつも、その内容は聞いていた。 DOLCEか…… どこかで聞いた気がする……
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