独占欲の狐娘

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「ああ、そう。じゃあ、どう面白くしたら、俺たちは人間界へ戻れるんだ?」 「ルール説明! お主らの持っている宝石『不思議石(ふしぎいし)』は何個あるんじゃ?」 「えーと、5つ」  人間性(ヒューマンネイチャー)充足(サフィシェンシー)忍耐(ペイシェンス)勤勉(ディリジェンス)博愛(フィランソロピー)。  ガラガラと音を立てながら、5つの石を机に並べた。  あと何個かを集める必要あるのか。何となく、分かってきた。  狐娘(きつねっこ)もといマリィさんは、楽しそうに口を緩めた。 「そうじゃ。あと2つ、不思議石(ふしぎいし)を集めれば7つじゃな。それで、元の世界へ戻ることが出来るぞい」 「それって、私たちそれぞれの忘れていたことが関わっている?」 「ユウキ、その通りじゃ。キョウも思い出せ。お主らは、大事なことを忘れておる」 「「うーん?」」 「2人とも()えない顔じゃのぉ。じゃあ、外に出て河川敷でわらわとまた遊ぼうぞ!」  7つの石が鍵となり、元の世界へ脱出できるそうだ。  その2つ石をもらうには、俺たちが忘れている何かを思い出す必要があるらしい。  3人で阿仁(あに)河川公園(かせんこうえん)へ歩いて向かった。  その懐かしい遊びは、俺たちの思い出を(よみがえ)らせた。  そうか。  10年前に俺たち3人は、森吉四季美湖(もりよししきみこ)のほとりで出会っていたのか。  このマリィさんは、あの狐娘(きつねっこ)だ。  まさか大人になっても、異世界の迷子から助けられるとはね。
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