現実世界へ帰ろう

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 思春期の裕希(ゆうき)にも同じことをした。結果、彼女を突き放した。 「ごめん。俺は裕希(ゆうき)を異性として特別に思っている。だから、話しかけることが出来なくなったんだ」 「そうだったんだ。だけど、また私と話してくれたんだね。それは信じていいのかな?」 「良い。でも、俺には何もないぞ。サッカー選手でもないし、ミュージシャンでもない。ただの京一郎(きょういちろう)だ」 「分かっていないなぁ。だから、私が(きょう)くんを」  ケケケ。斜めに立つ裕希(ゆうき)の笑い方が怖い。  俺を守るということは、過度になると俺を束縛(そくばく)するということだ。  裕希(ゆうき)は10年間で大分、性癖(せいへき)をこじらせていた。
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