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すぐに裕希が励ましてくれた。
「京くんと一緒なら大丈夫だね!」
「俺、ペーパードライバーだぞ。そもそも、車はどうすんのさ」
「駐車場で借りよう」
「他人がいないのに、車が借りられるってかー。都合良すぎるぜ、裕希さんよー」
「その通り! さすが、京くん!」
謎のハイテンションな裕希に手を引かれて、恐る恐る、阿仁合駅の外へ俺は出た。
やはり他人の気配がせず、町全体が異様な感じだ。
今の結論。
ここ、異世界の阿仁合?
俺が眉間にしわを寄せて考えていると、裕希は駐車場の方から元気な声を上げた。
俺は怖がりながら喜んだ。
「京くん、この車、鍵かかっていないよ!」
「おお、良かったじゃん!」
2人とも、正気を失っていた。
俺は裕希を助手席に乗せて、森吉山阿仁スキー場方面へ車を動かした。
車の運転はかなり久々だったのに、夢のような感じで上手く出来た。
ここ、現実と夢が半々の世界なのかな。
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