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もしかして。
裕希が持っていたリュックサックを借りて、中を俺は片手で漁った。
なんと、石ころが3つ入っていた。
黄色の宝石は、人間性の文字。
赤が、充足で。
黒は、忍耐だった。
作詞の経験が少しある俺は、4つの石ころの文字に感想があった。
それを聞いて、裕希は笑った。
「何だか中二みたいな言葉選びだな。面白すぎるぜ、はっはー」
「京くんの猫みたいな顔、面白過ぎる」
「顔は至って真面目だろうに。いや、話も真面目だぞ」
「例えだよ。例えだにゃあ」
石ころをリュックの中へ戻した。
ゴンドラを使って、俺たちは山を下りる。
今度は、裕希が車を運転だ。
助席の俺は、ドライブが快適に感じた。
「京くん、何処へ行こうか」
「とりあえず……腹減った。駅に戻ろうか」
「あはは、了解」
俺の腹が鳴った。
緊張感が少し解けるとこれだ。
阿仁合駅に着いたら、何か食おう。
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