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あの後会長をいじりすぎたのか拗ねて親睦会の打ち合わせの時間が予定よりかかってしまった。
あの人もうすぐ成人するってのにまだまだ子供っぽいというか時折小学生男子がするようなしょうもないことをしてくるから驚く。
会議室から退室し会長がわざわざ中央管理委員室の階まで送ってくれたがあの人は何が目的なんだろうか
工藤が今回した件について最後にグチグチいわれるのか、工藤の星の剥奪をするかと思っていたがただ単に送ってくれただけだった…
あの人が先輩面をしたいがために送ってくれるということはまさかないだろう…
まあ、あの人の内心を考えても分かるわけないから考えるだけ無駄か
また金のかかっている廊下をゆっくり歩いた
片手に書類を持ちながら扉にカードをかざし開く
もう工藤はサボって寮に帰っているか、単位が足りなそうな教科があるのなら教室で授業を受けているころだろうか。
あいつ体育以外の授業はふざけずにきちんと受けるからそのギャップも素敵♡っていわれてるんだよな。
あいつは少女漫画の不良のように猫に餌をあげるという善行を1度しただけでそれ以前の行動がちゃらになっているみたいで個人的には嫌いだ。
…授業自体を真面目に受ける人は好ましいとは思う
だがあいつは嫌いだ(大事なことなので2度言う)
デスクに会長から貰った書類をファイルにいれ上におき椅子に勢いよく座る。
書類を整理しながら親睦会や転校生のことについて考えているところ仮眠室の扉が開いた。
「やっと雪白帰ってきた。
意外と遅かったんだね?春の親睦会打ち合わせだけだったんでしょ?
あと今日の分の仕事終わらせといたよ。」
仮眠室から髪をかいている工藤がこちら見つめていた。
いつもと違いここに留まってさらに仕事も俺が催促する前にしたらしい。
「珍しいな、お前がまって仕事をしていたなんて。今度はまたなんの面倒事を起こした。」
こいつが番犬のように留守番しながら仕事をしてるなんてなにか面倒事を起こしたに違いない。
椅子の背もたれに体重をかけながら工藤に問いかける。
綺麗に整えられている眉を寄せながら苦渋の表情をした工藤が無駄に長い足でこちらに近づいてくる。
「ちょっと、なんで僕が仕事をしただけでそんなこといわれなきゃならないわけ~?
しかも疑問形じゃなくて断言して問題行動してたみたいにいっちゃってさ!
冤罪、濡れ衣、無実の罪だよ~」
「日頃のおこないのせいだな。」
わざとらしく、目元に手を近づけてしくしくと泣きまねをしてくる。
それを横目でみながら鼻で笑い目の前の書類に目を落とす。
「いやぁ~、生徒会の無断カメラの件はこれでも反省してるんだよ?流石に紅皇家の会長様にばれちゃったからね。」
泣きまねはもう飽きたのか今度は近くの椅子をひき寄せ座りながら俺が使っているデスクに頬杖をついている。
書類をみてると本当に今日の分は終えおり、工藤の分は今日の分だけではなく数週間先までのものまで終えている。
……
「…で、本当は?」
「え?」
「お前がここまでするのは必ず問題をおこしたときだけだ。」
「…さすが雪白様。私のことをわかってらっしゃる。」
「…」
「…」
「…風紀委員室にもおいといたカメラがバレちゃいました。雪白悪いけどカメラ回収してき」
「今のは豚の泣きまねか?」
今日の分の書類を持ち管理室からでていく
途中ぶ、ぶひ~と聞こえた情けない音は聞かなかったことにした。
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