王道学園

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◇◇◇◇◇◇ いつものように目覚ましの音で起床。 朝はまだ肌寒いからか布団からでたくない気持ちを抑えベット付近にあるベットテーブルの上にある眼鏡を手探りで探し、探し見つけた眼鏡をかけ寒い布団の外に出る。カーテンから漏れ出た光で今日の天気は予報通り快晴なのだろう。 ベットから出た後洗面所にいき眼鏡を外し顔を洗い歯を磨く。寝間着を脱ぎながら朝のシャワーで髪や体を念入りに洗う。この学園に来て良かったことの1つは学園と寮が近いおかげで朝の仕度に余裕があることだ。毎朝シャワーを浴びれることができる。 髪をタオルで拭きながら制服のズボンとシャツを着て、洗面所に置いてある眼鏡を再びかける。 寝室で充電してある学園用のスマホを見ると理事長から連絡がきていた。 『咲夜君おはよう 今日は私の甥が学園にくる日なんだ 咲夜君ではなく生徒会の誰かが迎えに行ってくれるんだけど、私の甥がこの学園の者の悪意に晒される、いじめられないようにしてくれないかい? できればだけどね 君にとっても私の甥に近づける口実ができるから相互に利益があるはずだ 期待しているよ』 この人ははなから俺に断らせる気ないだろ。 五財閥の一つである黄桜当主の血縁者の願いを断れる人がいたら是非ともお目にかかりたい。 いや、この学園の生徒たちは理事長の実家が五財閥と知らずとも喜んでいいなりになるか… 一般生徒にとってはあの理事に個人を認識してもらえるだけで一生の運を使い果たしたと思う生徒もいるだろうからな。 あの人の思惑通りに動くのは少し嫌だが背に腹はかえられない。もともと転校生には接触する予定だったんだ。 やることが少し増えたが問題事が増えるよりは断然いい。 ベットテーブルに置いてあるイヤホンをつけスマホで音楽を流す。 キッチンへ行き、トースターで食パンを焼く。フライパンを置きIHの電源をいれる。 冷蔵庫の中から卵1つと厚切りベーコン2枚取り出し、熱されたフライパンの中に入れる。胡椒をふるい菜箸でベーコンを裏返す。 ベーコンの焼けた匂いがとても美味そうだ 工藤に手料理をふるまった際自分がいかに料理ができないか思い知らされた。あの時はもう2度と手料理などしないと思ったが簡単な手料理くらいできるのがもう成人する人間の嗜みだと思うからな。 だから余裕がある日だけご飯を作っている。 それにご飯を作るのは面倒だが自分が作ったものはさらに美味しく感じるのもある。 こんがり焼けた食パンの上にベーコンと目玉焼きをのせた食器と白湯をダイニングテーブルに置く。 食事の挨拶をしパンを食べるサクッと気持ちのよい音がなっているのを聞きながら食べ進め転校生のことを頭の中で考えた。 …折角この学園に慣れてこれたんだ 転校生がくることで面倒なことになってくれるなよ
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