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第1話 「お姉ちゃんはどこ?」
「……あれ……お姉ちゃん?」
お姉ちゃんがいつも仕事をしている部屋を覗くと、部屋にあるゴミは散らばり、お姉ちゃんはいなくなっていた。仕事上、あの部屋からほとんど出ないお姉ちゃんは、この部屋からいなくなるなんてそうそうないのだが。一片の羽が落ちていた。
「……これは……?」
拾うと、塵となり消えていった。
「……羽が消えるなんて、そんなことあるかな……?」
私は、お父様に相談することにした。
「……リユが、いない……」
お父様は考え込むようにして言った。
「私が少し、仕事を与えすぎてしまったかもしれんな。ミアはリユを探してくれないか。」
「……勿論、お父様」
私は頭が不安で埋め尽くされていた。
“いにしえのもり”。
昔から天界に存在する、美しい森。
お父様がお祖父様から天界を教えてもらっていた頃からあるのだとか。でもここならお姉ちゃんがいるかと思ったのだ。「」
「……綺麗だけど、迷いそう……」
“飛んでこの中に入るべからず”
看板が見えた。
ここの森は何故か、天使の羽で飛んで入ってはいけないという謎のルールがある。
天界の王であるお父様でも分からないんだとか。
私も羽をたたみ、森へと入る。
「あれ何か、いつもより暗い……?」
今覚えば、入るべきじゃなかった。
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