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国立映画アーカイブに、井上梅次監督『嵐を呼ぶ楽団』を観に行った。
井上監督って人はあの石原裕次郎の『嵐を呼ぶ男』の監督で、「嵐を呼ぶ〜」ってつく作品をいくつか作っている。
今回は宝田明主演である。
と、これまで書いたワード、全然みんな響かないだろうな〜。呪術廻戦とか書いた方が絶対伸びるよな〜とか思いつつ、続けます(笑)。
才能あるピアニスト宝田明は日本一のジャズバンドを作ろうとするわけです。で、才能ある仲間が集まってくる。そうなのです、自分のまわりの友達を眺めたら、だいたい自分自身がわかるってやつか。とにかく才能ある連中とバンドを始め、友情を深めながら人気になり、と栄華を極めたと思ったら……才能あるが故に性格に難ありの宝田自身のせいで、バンドは空中分解に。
仲間たちはもどってくるのか!?
という話です。
なんていうか、青春とか友情とか、恋愛とか、もっと言えば人生の全てが描かれている傑作だと思われる。まあ人間が一度は通るもの、が描かれているんでしょう。
実は最近、共感って売れるんだけど、等身大で共感ばかりを考えちゃいけないなと思っている。「はいあなたとおんなじですよ、共感してください〜」って作品はたくさんあるんだけど、読者はそもそも小説がおもしろけりゃ、r等身大でなくとも、共感はしてくれるのだ(してくれないときはすみません!)。読者を舐めちゃいけんよ、もっと読者を信頼しろよ、みたいな。
物語って、自分とは違う人のことを我がことのように想う、そんな力を養ってくれている。
そしてサービスって、なんでもかんでもする、そういうもんじゃないよなあ、って。
『嵐を呼ぶ楽団』は人物たちのやりとりや心情で共感をさせながら、楽屋裏的なものを見せてくれる(お仕事小説的)。ついでに宝田明はイケメン、とよくできた映画だと思う。興味深いものがたくさん目に飛び込んでくる。とてもいい。
しまいには宝田明に自分を重ねるというおこがましい状態になる。そう、勝手に才能あるものの孤独を体現する宝田に(笑)。
そんなもんなのです。
音楽もいい。
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