家には既に私が居る

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「サイボーグとでも言うべきでしょうか?  特殊金属の骨格を生きた細胞で覆ったボディに、コピーしたあなた自身の人格をインストールしてあります」  は? 「人格はいつコピーを?」  と言う事は、俺はロボットなのか? 「三日前に健康診断がありましたよね?  その時です……」 「では大臣も?」 彼もロボットなのだろうか? 「はい。  既に人間ではありません。  もっと言わせていただけば、重要な政治家や資本家は既に結構そんな状態だったりします……」  そうか、だから俺は三日前の健康診断までの記憶しかないんだな……出張の商談メモは気付かない様にするための偽物だったのか。 「その話が本当だとするなら、こいつは何なんだ?」  木に縛られて気絶している彼を指差す。 「申し訳ございません……。  それが、我々の手違いだったのです」  手違いとは、いったい? 「どういう事でしょうか?」 「三日前までの記憶しかない筈なので分からないと思いますが、その後あなたは風邪で発熱なさって出張を部下に代わってもらっているのです。  急だった事もあってか会議書類の名前が変更されておりませんでしたから、手違いであなたをリブートさせてしまったのです」
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