家には既に私が居る

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 理解はできても、自分が人間でなくなったと言う事実は納得し難い。 「じゃあ何か?  俺はロボットで、ここに縛られているコイツがオリジナルの人間って事か?」 「はい、そう言う事になります……申し訳ございません」  だから俺がもう一人居るのか……。 「で、同一の人物が二人居るのは問題だからコピーを処分しに来たと言う訳だな?」 「本来ならそのつもりでしたが、縛り付けられている彼は既に亡くなっている様です。  頭部強打のダメージはかなり大きかったようですので……」  自分が本物で彼は危険人物だと思ってしまったが故に妻と娘を守る為、かなり強く殴ってしまったらしい。  生きた細胞で覆ってあるとは言われたが、中身は金属なのだから力も思った以上に増幅されているのかもしれない。 「こちらのミスなので、遺体の処分は私達が引き受けます。  ですので、あなたは今まで通り生活していただければと思います」  面倒事は解決したとは言え、ロボットになってしまった俺が人間である自分を殺してしまったと思うと複雑な気分ではある。
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