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「風間先輩……なんですか?」
ポソボソッと元気のない声で返すと「ネームで」と上から指示してくる。イーブルは「はぁ……」とため息をつき嫌々ながら口を開く。
「live」
「はい、良くできました。頭撫でてやろうか」
『evil』と『live』。
元々、風間は『evil≒live』という独特な名前でやっており、イーブルを誘ったことにより『二人で一人』という意味で名前の半分をイーブルに渡した。そのせいか、視界に入る場所には必ずリブがいる。もちろん、住む場所も二人で一つのマンションで――。
「イーブルは嫌か? なら、本名で読んでやる。片山 シキ」
裏ではなく表の名前を聞いた途端、鳥肌と胸のムカつきに襲われた。
「気持ち悪い……」
リュックサックに教科書を詰め、ジィ……とチャックを閉める。軽く背負い、逃げるように体を廊下へ向けるが「なんだよ。嫌がったのはお前だろ?」と、逃がさんと腕を掴まれる。
「風間 健介」
シキはリブが嫌がることを知りながら、わざと本名を口にすると「ははっ、気持ち悪いな。やっぱりネームじゃないと……」とリブは苦笑い。グイッと腕を強く引っ張られ、抱き締められるよう密着したとき「さて、いつ殺すんだ? そろそろ計画練らないと待ってられないんだけど」と低い声で囁く。
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