31人が本棚に入れています
本棚に追加
L●NEなりSNSのDMなりで連絡を取ろうと試みるが、何故か私が手にしているのは昔使っていたガラケーだ。どのボタンを押しても画面は一向に動かない。
そこでもガラケーを手にしていることが当たり前と思っていた。ただ、
「前のケータイ使い方忘れとる!」
という焦りの言葉を発した覚えはある。
途方に暮れていたところ、
「彼女はもう、ここにはおらん。一か月前、○○で見かけたで。今は分からんけどな」
という情報をもたらしてくれる者が現れた。
千鳥格子のスーツでバシッと決めたホンコンさんであった。
ちなみに、私はホンコンさんに対してこれといった感情を持ったことはない。
知人女性にしても、彼とは縁もゆかりもないはずである。
しかし、ここでも私は何の疑問も持たなかった。
○○という地へ移動し、個室トイレ群を巡るのだと決意を新たにした。
いざ、○○行きのバスへ(いつの間にか乗っていた)。
しかし、そのバスは○○に停まらないどころか逆方向へ行ってしまうことが発覚。分かった時にはもうバスは動き出してしまっている……というところで目が覚めた。
結局、知人女性とは会えずじまい。
焦りばかりが募る、ある意味濃い20分間であった。
最初のコメントを投稿しよう!