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これは、本当のお話です。
私を含め、姉たちは障害持ちです。精神面での障害です。
その中でも、父方の亡き祖父に似ている姉はその当時心身共に疲れていました。
そんな姉のためにと、父が柴犬を家族に迎え入れてくれました。名前は福太郎。
福太郎のお陰か、姉たちは嬉しそうに世話をするようになりました。
姉がパニックを起こすと、福太郎は心配してか近づいていく素振りもありました。
そんな福太郎が、お外に小屋を用意して生活するようになって数ヵ月後。あるお散歩の時です。
散歩から帰ってきた姉に、
「外に子猫が捨てられている」
と言われました。
勿論、見つけたのは福太郎です。その子猫たちは、隣に住むデイケアに通っているお婆さんのお宅の玄関前にいました。
段ボールに新聞紙を敷いただけの状態でした。母曰く、朝からあった段ボールだということで、丸半日も何も飲まず食わずでその子猫たちは過ごしていたことになります。
私から父に話し、その子猫たちを保護しました。まだ目も開いていない乳飲み子でした。
あれからもう、九年が経ちます。
子猫たちは残念ながら一匹だけ病気で天国へ旅立ってしまいましたが、他のこは今も元気に我が家の家族としています。
愛犬の福太郎も、もう十歳です。
東北の冬は寒いので、今年から家の中での生活が始まりました。
愛猫たちと、仲良くしています。
福太郎のお陰で、姉たちは幸せです。
かくいう私も、愛猫たちと生活できる毎日を与えてくれたこの子に、本当に感謝しています。
この子が福を、運んできてくれました。
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