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アジトに
「バカモノが。お主の魂胆などわかっておるのじゃァ」
だが長老の岩爺はボクを怒鳴りつけた。
「えェッ、ボクの魂胆ですか?」
何を言っているのだろう。
「決まっておるのじゃァ。伊賀の影丸がそう易々と本当のクリプト絵巻の在り処をワシらに密告るはずはないのじゃァ」
「いやいやァ、ボクは伊賀忍者じゃありませんし、本当にクリプト絵巻なんか知りませんから」
ボクは泣きそうになって釈明した。
「泣いても無駄なのじゃ。そんな泣き落としなど、この甲賀忍者の長老、岩爺には通用しないのじゃ。フォフォフォッ」
岩爺は高らかに笑った。
「ううゥ……」
なんて事だろう。
怖ろしい事に我が家に甲賀忍者たちネムやシャオランたち三忍娘らもやって来て占拠された。
ボクのモノは無駄だと、すべて裏庭の物置きへ追いやられた。
まさに、あっと言う間だ。
ボクの言うことなど無視され、事実上、甲賀の三忍娘のアジトになってしまった。
こうして、目立ちたがり屋の甲賀忍者たちとのドタバタな共同生活が始まる事になった。
しかし悪いことばかりではない。
このあと、ボクは咲耶と恋に落ちることになる。
だがそれは儚い夢だったのかもしれない。
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