忘却の心

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変わらない日常。 毎日眠たい目を擦っては重い身体を起こし、やりたくもない仕事をしにスーツを見に纏い出勤する。 愛想笑いを振りまいて、営業先でペコペコと頭を下げる。 上司のくだらない話にも、同調できないことにも肯定して、肯定して、、、 俺は本当に生きているのだろうか、、、 自分が自分ではない何かになってしまったようだ。  そんなある日のこと、仕事から帰ると、ポストに一通の少し古く、うっすら黄ばんだ手紙が届いた。 ー鈴木 太郎様ー   お世辞にも上手とは言えないが、丁寧に書かれた宛先。 裏面には「たろーより」と雑な文字で書かれていた。 俺の性格が出てるな。 封を切ると、最初は丁寧な字、途中からどんどんテキトーな文字になっていっていた。 俺はその、手紙を読むことにした。
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