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本棚に追加「シロ」ではなく「ハック」
愛犬「ハック」との日々 ~ 亡き我が愛犬に捧ぐ
◆「シロ」ではなく「ハック」
「ハック」は私が小学生の時に飼っていた柴犬の名前だ。
生まれた時から亡くなる日まで、我が家にいたが、ハックの人生は良いとは思えない。
それは今も思っている。
ハックを飼うようになったきっかけは、近所のおばさんが生まれたばかりの子犬を持ってきて、
「小原さんの家で飼わない?」と言ってきたからだ。
段ボールの中には人間でいう赤ん坊の犬が三匹いた。三匹とも丸まって眠っていた。
三匹の犬は近所の子同士で分けられ、私の家は一番小さな犬をもらうことにした。
名前は、「シロ」と単純な名前にしようとしたが、父が「そんなありふれた名前はあかん」と言って、「ハック」と付けた。少し捻った名前だ。
私の住んでいた家は昭和の木造建築で、庭が広かったので、子犬の頃は放し飼いにしていた。
犬小屋は父が作ってくれた。滅多に日曜大工をなどしない父が、必死で金づちを振る様子が少し可笑しかったのを憶えている。
母が餌を作り、散歩は私と弟が交替ですることになった。
狂犬病の予防注射や、寄生虫を排除するため虫下しを飲ませたりもした。
今はばらばらになった家族が一つの屋根の下で、ハックの為に動いた。お互いの笑顔に優しくなれた時代。
そんな幸福に包まれた家族の中にハックはいたのだ。
散歩が好きなハックを「ハック!」と呼んで近づけば、「ワン」と吠え、尻尾を何度も振りながら飛び回る。そんな単純な光景が何度も繰り返された。

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