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第一章 イチャイチャしたい
美咲は大きなため息をついた。
「幸せ逃げるよー」
目の前の親友がそんなことを言ってくるが、逃げるような幸せなんてないんじゃないかと美咲は思ってしまう。
「……私って今幸せなのかなー?」
「え、何そんな深刻な話?」
「だって……」
「だって何?」
「だって……全然ないんだもん」
「何が?」
「……ない」
声にするのが恥ずかしくて、ものすごく小さな声になってしまう。
「ん? なんて?」
「……だから……イチャイチャしたいのに、全然してくれないの!」
「……は?」
美咲の悲痛な訴えに、何言ってんだこいつはという親友からの痛い視線が返ってきた。
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