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約二ヶ月前。我が家の、なんの変哲もない夜の食卓。おかずはサムゲタンスープと麻婆春雨だった。
「それでね、お母さんもいっしょに行くことにしたから、トロントに」
海外ぃ!?
「正直、お母さんもカナダって行ってみたかったの。世界的に有名な観光スポットがいっぱいだし」
カナ、ダ? とろんと?
父親が、「こらこら、遊びに行くんじゃないぞ」と横から言う。
「だから充はトモくんと、ね」
トモくんって…。
「あちらはおじいさんが入院されて、今は倫也くんがひとりでやっているらしいから…ふたりなら心強いだろう」
三組の月ヶ瀬倫也?
「なんであいつの名前が」
「お母さん、亡くなったトモくんのお母さんと仲良かったから。ママ友てやつね。よく充を連れていっしょに公園とか児童館だとか、行ったもんよ」
知らないし。
「だから、ねっ、うちで三ヶ月いっしょに暮らしなさい、トモくんと」
「そうしなさい充。俺たちからもよくご挨拶しておくから」
いっしょに? 暮らす!? 三ヶ月?
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