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「ん、ちょっと待っ…」
快楽のかたまりのようなものがくすぐったさを上回ってく。じょじょに、だが確実に。
腰を落ち着けていられなくなる。このままじゃ、やばい。
「もう、いいっ…」
「…充。こことここ、きもちいいんだね」
裏筋ってやつに根元から指をすべらせながら、そのあとを追うように舌を這わせる。びくん、と腰がはねる。先っぽを舌で包み込んで、切れ込みみたいな孔をつつく。
「…知ろうとするな、んなこと…!」
呑まれそうなくらいの、どろりとした熱さが下半身に急激にあつまってくる。
「出していいよ」
出せるかよ!
でもこらえようとすればするほど、ふくらんでくる。痛いほどだ。自分でシたときは、いくら想像をあれこれしてもこんなふうにならなかったのに。
「がまんしないで」
床に脱ぎ捨ててあった倫也のベージュのセーターをつかんで口元に押し当てて、声を殺そうとする。それに、なんでもいいから何かにしがみつきたかった。
もう、無理だ。
「ン………、ん!」
大きく脈打って吐き出される。ぶっ飛んでった感覚。カラダも、頭の中も。
「充…」
はっとする。倫也の、あっけにとられた声。
「ばっ…ばかやろ」
荒い呼吸。はずかしすぎる。
ひきよせたときになったのだろう、セーターの袖の部分が胸の上に落ちている。そしてそこに、白く濁った体液が付着していた。ぎゃっと悲鳴を上げてしまう。
いたたまれない。顔を覆う。頬が紅潮して目が潤んでいるのが自分でわかる。
でもセーターのすきまからちらっとうかがう。ここまでさせる気なんてなかったのにって、倫也は軽蔑してるかもしれない。
「ごめ…汚した」
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