ヤキモチ

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「絢音…」 「ぅん…」 月明かりの差し込むベッドの上で、白い体を擦り寄せキスを交わす藤次と絢音。 唇が首に胸にと、赤い花を絢音に咲かせて、藤次の興奮が増して来た時だった。 「ぃ…いった!!!!」 不意に二の腕の柔らかい部分をぎゅうっと力強く抓られて、藤次は悲鳴を上げる。 「な、なにを…!!」 紫の痕を付けられた腕を見ながら絢音を見ると、彼女はじとりと自分を見つめている。 「な、なんね…」 「今日、これ以上触らせない。」 「はあ?!」 訳わからんと声を上げる藤次を、絢音は更に睨みつける。 「だって藤次、巨乳の人妻が好きなんでしょ?ワタシなんかの小さくて貧相な身体…燃えないんでしょう?」 「な、何を根拠に…」 狼狽する藤次に、絢音はベッド脇の文机の引き出しを開けて、中身を突きつける。 それは一枚のDVDで、タイトルは「人妻巨乳美女中出し不倫旅行」と書かれた、いわゆるアダルトビデオ。 「お、おまっ!それ、どこで…」 「押入れの奥に、不自然に隠された段ボールから、見つけたの。みんな巨乳、美女、人妻のワードのものばっか。藤次にそんなに不倫願望あるなんて、知らなかったわ。ワタシ。」 「か、過去や過去!!今はそんなん見てへん!!第一、俺お前やないと勃たんのやから、不倫なんかできるかい!!」 「どうかしら。別に本物挿れるだけがセックスじゃないじゃない。オモチャだっていいわけだし?こないだ買い物行った時だって、巨乳の女の人見てデレデレしてたし、ホントはワタシなんかじゃつまんないんでしょ?」 「デカい胸これ見よがしに見せられたら、男なら見てまうわ!性や!!ええ加減信じろや!!俺は、お前一筋や!!」 そう言ってお互い睨み合ってると、絢音が徐に口を開く。 「ワタシだって、結構努力してるんだから。マッサージしたり、育乳にいいもの食べたり、でも、全然おっきくならないから…だから…悔しくて…」 俄に涙を滲ませて言う絢音が、なんだか可愛くて、藤次はチュッと、絢音にキスをする。 「藤次…」 「確かに、俺は巨乳派やけど、前にも言うたやろ?惚れた女の胸のサイズなんて関係ないて。絢音のこの胸が、俺は一番好きや。不倫かて、男なら誰でも持っとる願望や。せやけど、それを理性と愛情で止めとんや。第一、俺が不倫なんて二重生活、出来るような器用な男に思えるか?」 「だって、藤次モテるし、恋愛経験だって豊富だし。」 「豊富やから、アカン思うた橋は渡らんのや。それに俺は、お前手放してまで、今の生活捨ててまで欲しいもん、ないわ。」 「ホント?」 「ああ。ホントや。せやからな?仲直りのセックス…しよ?」 「約束、だからね…」 「ああ…約束や…」 そうして、藤次は絢音に覆い被さり、胸を弄る。 「好きよ…」 そうしてキツく抱き合い抱き締めて、藤次は絢音の胸の先に優しくキスを落とし、悶える彼女に優しく囁いた。 「俺も…好きや…」
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