プロローグ

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プロローグ

  あれは何歳の頃だったか。 仲の良い両親を見ていて、どうしてそんなに仲が良いのだろうと、幼い私は不思議に思って、お母さんにこう訊ねてみた事があった。 ――『ねぇ、ママ?』 ――『なぁに? 小都里(ことり)』 ――『どうして、ママとパパはいつもあんなになかよしなの?』 ――『んー、そうね……』 幼い私を膝の上に乗せ、後ろから抱き締めてくれているお母さんは少しして、こう答えたんだっけ。 ――『お互いがずっとひたむきに想い合ってるからかしら』 と……。 この時の私には、当然その言葉の意味は分からなかった。 ただ何となく、いいなって。 嬉しそうに笑顔で言ったお母さんみたいに、私もいつか誰かとそういう風になりたいな、と幼いながらに思ったのは覚えている――。
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