1.突然の報せと出会い

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1.突然の報せと出会い

  それから幾年も過ぎ、私は二十六 歳になった。 お母さんとお父さんみたいになりたい。そう願ったのは遠い昔の事。 小学生の頃は、人との距離感というものがうまく掴めずに、友達は指折り数える程度になった。 流行り物には特に興味が湧かず、高学年になった頃には、周りの女子達の話についていけずに段々孤立。 加えて、漫画やアニメが大好きなゆえに、クラスメイトからはオタクオタクとからかわれ、中学生になってもそれが尾を引いて、特に男子生徒からは話し掛けられる事が極端に減った。 何か特別面白いことを言えるわけでも、コミュニケーションが上手なわけでもない。 次第に人と話すのが臆病になっていった私は、自分から誰かに話掛ける事さえも出来なくなっていた。 いつしか地味で根暗で、すみっこ族と化していた私についたあだ名が陰キャの菅野(すがの)。 視力が弱い為、メガネを掛けていたせいもあったんだろう。 けど陰キャの菅野て。 いや、いいんだけどさ。 そのままじゃないですか。 どうせつけるなら、もうちょっと凝ったものにしてほしかった。 そんなこんなで、異性とのお付き合いや、ましてや交流もまともにできない、自称憐れな大人になってしまい気付けば二十六歳に。  ただ高校生の頃に一度だけ、こんな私にも恋心のようなものが芽生えた事があった。 しかしこれは私の中では苦い思い出である為、きつく蓋をしている。
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