玉手箱

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玉手箱

そうだ! 帰り際に乙姫は「もし困った時はLINEを見て」と言っていたぞ。ピンチのときに役立つ解決策のヒントがあるかもしれない。 三郎はスマホを取り出しLINEを見た。確かにLINEが届いていた。 『サブちゃん大好き。また会いたいです♡』と…。 隣では涼子が一緒にスマホを覗き込んでいた。涼子の頭からはモクモクと何が出ているようだった。 「サ、サブちゃんって呼ばれているじゃないの。私だって呼んだことないのに。ちょっとーっ、一体どうなっているのよ!」 三郎は一歩下がり、骨髄反射的に土下座していた。 「ごめん、一緒にお昼を食べただけだから」 「はあ〜っ! それだけ?」 「あとはマツケンサンバとか…」 浦島三郎は心労によって一気に老けたように見えた。
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