雨音は、そっと沈黙する。

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すさんだ生活を写真に撮られて雑誌に載ることもあったが 主人は気にすることなく過ごしていた。 そんなあるとき......。 突然、女性が訪れて来た。 どうやら撮られた写真で住まいを特定されたらしい。 『私、天音の遠縁の者です。 このようなときにすみません。 どうしても天音を、 安らげるようにしたいのです』 「はぁ......」 主人が動揺したのも無理は無い。 黒髪を綺麗にまとめて明るいカジュアルな服装の女性だった。 どことなく美人な感じがした。 美人な、感じ、が、した、のだ。 なにしろ真っ黒な大きなサングラスに真っ黒なマスク。 しかも携帯のメモ画面から文字を打って見せてきたのだから。
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