雲の光芒(くものこうぼう)

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 春の訪れを感じながら、自転車を走らせた。  今日一日休みなので自転車を走らせて、最近行けてなかった墓参りに行くことにしていた。「よしっ!」とリビングから玄関へ向かう。玄関では小さく「いってきます」といい、玄関から出て鍵を閉める。  玄関の鍵を閉めた後、駐輪場に向かう。自転車に乗り、軽快に走りだす。  よく青春時代に通っていた通学路の並木道を通りながら、景色が流れていく。信号が赤になり、ふと空を見上げ、晴天なのにそこで気づく。最近は空を見ないような生活をしていたなと晴天を眺めながら、はっとした。  なぜ、はっとしたのか考えてみた。ただただ、最近つまらない人生を送っていたなと、与えられたレールを走っていると感じた。昔はもっと夢を追いかけていた。高校の時からの夢・・・。だけど、途中であきらめて、普通に就職し、今まで過ごしてきた。諦めたくないけど諦めるしかなかった。天才だけの世界じゃない。凡才になって生きればいい。そう思ったら、さっきまで曇っていたものが、晴れる兆しが見えた。  こんな事を考えながら、ずっと空を見ていたら信号が青になっていた  そうだ、墓参りに行く途中だったんだ。じゃあ、行こうか!  今の気分だったら、ちょっといい報告できるかなっ・・・  これから、また頑張るよ。
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