第2章 大坂城にて…

1/1
前へ
/6ページ
次へ

第2章 大坂城にて…

秀頼「そういう事情だったんだ。」 シャオラン「恐がりの性格が直るはずがないじゃないとあたしは思うけど…な。」 秀頼「…俺も恐さを感じてはいる…。 産まれながらにして太閤の息子として担ぎ出され…年相応な日常を送る事など許されなかった…。」 シャオラン「何だか話が噛み合わない気がするのだけど…」 秀頼は太閤・豊臣秀吉の息子として産まれながらにして天下を治めるべき人間として英才教育を受けながら生きて来ました…。 それは分かるのですが… どうやらシャオランの恐いと秀頼の恐いは 根本から違いすぎているような気が… 千姫「私は…秀頼様がいらっしゃるなら恐いなどと思いませぬ…。そうだわ…シャオラン。貴女、私の代わりに姫様になったら?」 秀頼「千姫、自分が何を言っているのか分かっているのか?」 千姫「分かってます。シャオランなら忍者だから私と同じ様な姿、形になる事は可能ではないのですか?」 さすがは徳川幕府の御令嬢…。 そこの辺りは御存知なようで… シャオラン「変化の術ですか? 出来なくはないですけど…」 シャオランは千姫の思惑通り千姫に変化してしまい次の瞬間、千姫は… 千姫「私は秀頼様の妻としてこの世から潔く去りたいと思います。」 そのような事を呟くと自らの人生を自らの手で終わらせてしまいました…。 シャオラン「…どうしてこんな恐い事が出来るの?どうして自分の人生を勝手に終わらせてしまうの?」 シャオランは事態を受け入れきれず… 泣きながら今は亡き千姫に語っていました。 秀頼「私も千と共に散るべきだ…。千を独りにしてはならないから…シャオラン、そなたは千として徳川家に向かってくれ…。これ以上、恐いものを見なくて済むように…」 秀頼に促されたシャオランは徳川陣営へとフラつく足取りで向かったのでございます…。 その間に豊臣秀頼とその生母・淀君は自らの人生の幕を自らの手で下ろしてしまいました…。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加