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壱「雑談」
「さよなら―」
1年4組担任、御崎先生の声と同時に生徒が教室から飛びだしていく。
「先輩探さないと…」
「おい雲雀~」
「はい?」
突然先生に呼び止められた。
「また三年の方に行くのか?」
「ん?」
「とぼけちゃだめだぞー。」
「また大宮探すのか?って聞いてる。私は。」
「そうですけど。そういえば、御崎先生って去年先輩の担任だったんですか?」
「そうだよ。」
「大宮って二年のとき、結構陰キャだったんだよ。」
「そうなんですか⁉」
「知らなかったのか?」
「はい…昔の写真とか、見せてくれないので。」
先輩と再会したのは入学してから一学期の中盤ぐらい。
先輩曰く、テストの順位表で
「中間テスト 1位 1年4組 雲雀星那」
私の名前を見つけたらしい。
「中間テスト 1位 3年6組 大宮優」
ちゃっかり先輩も1位取ってた。
「最近久しぶりにあってびっくりしたよ。すごいイメチェンして、」
「そうなんですね。」
「じゃあ、気を付けてね。」
「はい、さようなら。」
私が方向転換すると、
「ちょっと待って、」
また先生に呼び止められた。
「何かありましたか?」
「私のことは…先輩と呼んでくれないのか?星。」
「無理ね。それじゃあ。」
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