弐「あぁ、ありがとう。」

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弐「あぁ、ありがとう。」

「いないなぁ、靴はあったのに。」  この学校、無駄に校舎が広い。 「まだ教室なのかなぁ?」 「いませんよ。」  声の主は 「神楽先生」  神楽雄二。来年定年を迎える、3年6組の担任。 「教室に?」  私は聞き返す。 「はい。お探しでしょう?大宮さんを。」 「はい。」 「彼なら、屋上でしょう。よくそこでサボっていますから。」 「あ、ありがとうございます!」 「見つかるといいですね。」 「あぁ、ありがとう。」
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