一輪の薔薇

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しばらく会えなかった彼氏に、今日会える。 髪も完璧にセットして、お気に入りの服を着て、コートを着て、マフラーも忘れない。これもまたお気に入りのブーツを履き、家を出る。 「今日は龍に会えるんだ。楽しみだなぁ」 幼稚園、小学、中学と同じ学校だったけれど、高校生になって学校が変わってしまった。 お互いテストや部活で忙しく、LINEを送る事しかできなかった。 LINEがあるからいいけど、やっぱり顔をあわせなきゃできないことがある。 たとえばき、キスとか…。 顔が カァッ と赤くなるのを感じた。 ブンブン と頭を左右にゆらした。 「何考えてんの私っ!」 龍と付き合いはじめたのは中学一年生の冬。 ちょうど今頃だ。 今高校一年生なので、三年間も付き合っている。 この三年間で手は何度も繋いでいる。 特に冬は私の手を温めてくれた。 夏頃から会っていないので、向こうの学校で好きな人ができていないか心配になる。 二股とかしてないよね…。 とても心配だし、不安だ。 「…今日はどんな日になるかな…」 私の頭の中はぐちゃぐちゃだった。
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